かつて阪神は“暗黒時代”と呼ばれた時期、「チームが弱くても客が入りさえすればいい」という論理で球団経営しているのでは、とまことしやかに言われていた。意図的かどうかはともかく、現在の中日は当時の阪神に酷似した状況になっている。

「立浪監督は『ミスタードラゴンズ』として満を持して監督になった。地元の期待が大きかっただけに、低迷しても厳しい声は上がりにくい。それに今のチーム状態なら誰が監督でも好成績は望めない。それなら愛着のある立浪監督にしばらく任せてみようという空気もある」(同前)

 名古屋の財界に人脈があることもプラスに働いているようだ。特にバンテリンドームナゴヤの命名権を持つ興和の幹部とは昵懇の仲で、それも立浪監督の強みになっているという。