>>58
SNSで三重の聖地にけんましてるの語ってたら監視カメラ辿られた



(時時刻刻)匿名嫌がらせ、顕示欲の闇 ネット経由のファクス、送信元不明
https://www.asahi.com/articles/DA3S15722968.html

「巡礼」から特定 映像たどり摘発
 特定の人物への嫌がらせを繰り返し、全国各地へ爆破予告を繰り返す。「恒心教」を名乗ったこうした行為は近年、深刻さを増していた。匿名化システムを使い、身を隠して行われていたネット犯罪。逮捕されたのは、20代の男2人だった。
「巡礼」から特定 映像たどり摘発
 「死にたくなかったらいますぐ金を振り込む、それはできるよね?」
 こうした脅迫文が1月23日朝、全国の大学に一斉に届いたのが事件の始まりだった。
 翌24日には「生徒や教員を殺しまくってやる」とのファクスが高校などに届いた。25日には「サバイバルナイフで殺す模様」とのファクスが中学校などに送りつけられた。
 いずれも同一の弁護士の名前をかたり、特定の口座に金を振り込むよう要求していた。「恒心教」と名乗る人物らによる犯行の典型例で、警視庁や各地の警察は同一犯とみて捜査を始めた。
 送信元を調べると、ネット経由でファクスを送信できるサービスが使われていた。申し込みから送信までネットで完結。1枚10円以下で大量にファクスを送ることができる。
 サービスの申し込みには、通信を匿名化できるシステム「Tor(トーア)」が使われ、通信記録からは申し込んだ人物の特定はできなかった。
 2012年に起きたパソコン遠隔操作事件で、なりすまされた人らを誤認逮捕した経験が警察にはある。捜査幹部の一人は「石橋をたたきすぎるくらいの慎重な捜査が求められた」と話す。
 端緒は今年3月に警視庁に寄せられた情報提供だった。ネット上の犯罪に詳しい人物が、ツイッター(現X)の特定のアカウントを指定し、「使っている人物が事件に関わっている可能性が高い」とする内容だった。
 警視庁がこのアカウントの投稿を調べたところ、脅迫ファクスが送信された直後の1月下旬、三重県のマンションを訪れたと思われる内容があった。そのマンションは、恒心教を名乗る人物らが特定の人物への嫌がらせで訪れることで知られていた。訪問は「聖地巡礼」と称された。
 警視庁はこのマンション近辺の防犯カメラを捜査。1人の男が訪問し、すぐに逃走する様子が映っていた。捜査員が防犯カメラの映像をたどるなどし、東京都小金井市にある東京農工大学の男子学生寮にたどり着いた。この寮に住む学生の1人が、佐藤直容疑者(22)だった。
 警視庁は、マンションへの侵入容疑で佐藤容疑者を6月1日に逮捕した。寮の部屋を家宅捜索し、パソコンやスマートフォンなどを押収。これらの解析で、佐藤容疑者と大熊翔容疑者(26)がSNSを使い、ファクス送信についてやり取りしたことが判明した。警視庁は8月2日に大熊容疑者を、3日に佐藤容疑者を威力業務妨害容疑で逮捕した。
 2人が使ったファクス送信サービスの運営会社は、利用時の本人確認方法などに関する朝日新聞の取材に、担当者が「捜査には協力していく」と話し、詳細は答えなかった。