90歳の冒険家三浦雄一郎さんが29日から富士山(3776メートル)に挑み、弱った脚をカバーするために山岳用車いすでのけん引などの手厚い支援を受けて山頂を目指す。付き添いはかつて世界最高峰エベレスト(8848メートル)を一緒に登った仲間や家族ら約40人。「サポートの力を感じながらトライしたい」と闘志を燃やす。

 3年前に首の大病を患った影響で現在も体を動かすと脚のしびれが強まる。苦しい場面で活用する予定なのが山岳用車いすだ。3輪タイプで全長約180センチ、重さは十数キロ。登りで使用する際は、両側の骨組みにロープをくくり付け、上から仲間が引っ張り上げる。

 ロープは8人で引き、両横と後ろで3人が車体を支える。前方で障害物などがないかを確認する偵察要員を含めると最低12人が一度に携わる。

 今回の登山では車いすを引っ張る班を2チーム作り、交代しながら後押しする。サポートの中心を担う次男の豪太さん(54)は「車いす使用時は一つのものにつながって登るので、より一体感が増すのではないか」と話した。
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