田嶋は純粋すぎて、私生活でちょっと嫌なことがあると、それをマウンドに持って行ってしまうことがありました。打ち込まれたあと話をしていると……。

田嶋「ちょっと嫌なことがあったんで」

能見「えっ、ちょっと待って。それマウンドに持って行く?」

田嶋「……」

能見「そんなの持って行かんとって。自分が損するだけやで。オレが聞くから、次からは置いて行ってくれ」

 それからは登板前の確認が必須。

「タジ、嫌なことあった? なかった? どっち?」

 もしあったときは話してくれるようになりました。