「近ごろ娘さんの様子がおかしいのを心配して、部屋の押し入れにICレコーダーを隠したんだそうです。
そしたら、どうやらそこには娘さんとお父さんのやりとりが録音されていた。
でも、布団でマスキングされてしまって会話が聞き取れない。
音声を明瞭にしてほしいというのが、女性からの依頼内容でした」

ノイズを取り除くと、そこには衝撃的な音声が録音されていた。

「まず聞こえてきたのは、『お父さん、なにしているの? ねえ、やめてよ』という娘さんの不安そうな声。
そしたら、すぐにその子が『痛い、痛い、痛い』と叫び出したんです。
まもなく聞こえてきたのは、体がぶつかり合う音と、『ゔゔ! ゔゔ! 』という獣が興奮するような声でした。

実の父親による性的虐待が行われていたんです。その時、ちょうど私も同じ年頃の子供がいまして……。
音声を聞きながら、ただ泣くことしかできませんでした」

その後、この依頼主には音声データを持ってすぐに警察に行くように伝えたという。
これをきっかけに村岡さんは児童虐待の根深さを知ることになり、子どもの虐待防止を訴えるオレンジリボン運動に参加することを決めた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3964608539bbc9e2ad9532bfd55e8cb13bf34d61?page=3