勝ってきたからこそ許される…中日・涌井がキャリアワーストタイ&リーグワーストの12敗目 足りないのは何か

涌井は07、09年に最多勝を獲得し、11年には最多敗にもなっている。2000年以降、最多勝と最多敗をいずれも経験しているのは涌井を含めて10人いる。当たり前だが好投手の名が並ぶ。
松坂大輔(何と最多勝と最多敗を同時に達成)、岩隈久志、田中将大、井川慶…。リーグで一番負けるのも、ある意味では勲章。勝ってきた男だからこそ、負けることも許されるのだ。

ドラゴンズでは小川健太郎、小松辰雄らが経験者だが、先の10人の中には山本昌も入っている。1993、94、97年に最多勝に輝き、01年にはキャリアワーストの13敗で最多敗となっている。

当時の山本昌は今の涌井より1歳若い36歳。しかし、ここからがしぶとかった。翌02年から引退するまでに上積みした計65勝もすごいが、その中にはノーヒットノーランも含まれている。
涌井は若手に負けぬほど走っている。球速も維持できている。足りないのは何か。12敗の理由は、味方打線との兼ね合いだけではないはずだ。

通算158勝155敗。両リーグ最多敗となれば、ライアン・グリン(08年日本ハム、09年横浜)以来である。今さら回避せよとは言わないが、勝ってきた男らしい投球を見せて、移籍元年を終えてほしい。

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