吉田最近の『FF』シリーズを振り返ると、旧『FF14』は作り直しが必要なほどの大きな問題がありましたし、続く『FF15』もたくさんの人に遊んでもらえましたが、同時にストーリーに対する不満点を挙げる声もありました。こういった『FF』に対する厳しい評価が尾を引いているのは、グローバルで共通した事実ですし、シリーズである以上当然のことだと思っています。僕自身も、世界中を巡ってきてそれを肌で感じてきました。

 『FF16』は、そんな風評を“ゲームの中身で覆す”と決意して作り上げ、それに対する自信もあります。ただ、いくら僕がそう話しても「けっきょく、スクウェア・エニックスの手前味噌でしょ?」と言われたらそれまでなので、PRだけでは初動に対する不安感を晴らしきれないのが実情なのです。

 昨今の日本の映画やマンガのヒットの仕方を見てもらえればわかると思いますが、若い世代になるほど“発売日が勝負”という考えかたではなくなっています。それこそ、ネタバレの有無すらあまり関係がありません。“自分たちが時間とお金をつぎ込むに値する”と確信が得られたときに、初めて爆発的に広がっていくと考えています。