中日・高橋宏斗投手(21)が9日の巨人戦(東京ドーム)で先発する。残り4試合中3試合で巨人相手に登板予定の右腕は「G初星」、「Get to 143(規定投球回到達)」、「gratitude(感謝)」の“3G”を掲げてマウンドに上がる。8日の同戦で先発予定のドラフト1位・仲地礼亜投手(22)は同学年の巨人・戸郷との投げ合いを制して、東京ドームでの連敗ストップに燃える。チームは7日、バンテリンドームナゴヤで練習し、東京入りした。

 少しずつ秋の気配が漂う9月。今季も残り21試合。やり残した宿題は一つでも少ない方がいい。「巨人に対して苦手意識もありますし、相手が僕を得意にしてるのも分かってる。無心で投げたいと思います」と高橋宏は言葉に力を込めた。

 そろそろ一泡吹かせたい。昨季から巨人戦には9試合に投げたが、0勝4敗、防御率4・60。「ホームランが狙える打者がそろっている」。長打を警戒を強めるあまり、際どいコースを攻め続けて球数が増える悪循環。「ストライク先行の投球を心掛けます」と心に留める。さらに菅野と初マッチアップ。「2年連続で沢村賞を獲得したすごい投手。投げ合うことで勉強になることもたくさんあるはず」と話した。

 さらに積み重ねて数字への意識も強くする。最大の目標は規定投球回。7日の時点で計124イニング。残り19イニングに迫る。「一番目指してきたところ。シーズンが始まる前から英二さん(落合ヘッド兼投手コーチ)と話してきた部分ですし、通過点にしたい」と見据えた。

 そして今季終盤に増す感謝の思い。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から始まったシーズン。途中、調子が上がらないときでも1軍で機会を与えてくれた首脳陣には「使っていただいたおかげ」と言う。声をからしてくれるファンにも「いつも声援を送ってもらってありがたい」。登板日の試合前練習中に毎回客席に向けて深々と頭を下げるのは右腕なりの感謝の表現だ。
https://www.chunichi.co.jp/article/764780?ref=spo_top_sp_mainnews