1回10失点。育成出身の左腕、近藤廉(24)は2年ぶりの1軍マウンドで立ち尽くしていた。
 8月25日、本拠地でのDeNA戦。今季初の出番は2-8の九回だった。負けている展開とはいえ、最後をきっちり締めれば次につながる。だが、相手打線は止まらない。8安打、5四死球。3アウトを取るのに62球を費やした。「何をやっているんだろう」。ふがいなさでいっぱいになった。
 防御率72・00。かつてない屈辱に心が折れそうになった。救ってくれたのは周りの声だ。
 試合後、ロッカールームで一人でいると同じ救援陣の斎藤や藤嶋が声を掛けてくれた。柳ら球場にいなかった投手からも「切り替えろ」と連絡が来た。
 敵味方も関係な...


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