バウアーは今季1年契約で、年俸が基本給300万ドル(約4億3000万円)プラス出来高100万ドル(約1億4300万円)といわれている。MLBで投手としては最高峰のタイトルであるサイ・ヤング(CY)賞に輝いた実績を持ちながら、彼の年俸は日本球界最高額のソフトバンク、ロベルト・オスナ(28)の推定6億6500万円を下回っている。

 それには理由がある。バウアーは今季がドジャースと結んだ3年契約の最終年。約2250万ドル(約32億円)がドジャースから支払われている。そのため、DeNAは“格安”ともいえる年俸で獲得することができた。

 ところが、来季からドジャース負担分はない。バウアーは今季1年契約のため、来季はMLB30球団を含め、日米どの球団との契約が可能になる。もし、日本球界に残留となれば、マネーゲームとなるのは必至だろう。

 人気球団のDeNAだが、無尽蔵に資金があるわけではない。ここはファンの力を借り、今はやりのクラファンで資金を調達する道も視野に入れていいのではないか。過去、プロ野球球団が資金調達のため、クラファンを利用した例はない。煩雑な手続きもあるだろう。

 だが、古くは資金難から球団存続の危機を迎えた広島カープが広島市民に対し「たる募金」という募金活動を行い、乗り切った例もある。その「たる募金」で球団と地元の絆がさらに強くなり、今に至り市民球団として愛されている。バウアー残留に向けてのクラファンは、ファンとの一体感を増すためにも決して悪い手ではない、と思う。(デイリースポーツ・今野良彦)