「復帰1年目の岡田監督は、選手を我慢強く起用してきた。春先は不振だった佐藤輝明の起用には苦心したが、使うと決めた若手は、いったん二軍に降格させても、再び一軍でチャンスをあげている。野手ならドラ1新人の森下、小野寺。投手なら先発の村上を筆頭に、中継ぎの石井、桐敷、浜地ら。リリーフ登板で前日に先発・村上の完全試合をストップさせてしまった石井に対し、翌日の大事な場面で連投させたこともあった。『悪いイメージをすぐに払拭してこい』と登板機会を与えて切り替えさせる。一方で原監督は、チグハグさが目立ちました」

 高橋氏が続ける。

「せっかく新人の門脇を抜てきしているのに、その試合の早い段階であっさり坂本を代打に送ったことがあった。新人の浅野を7月に初昇格させた際も、スタメンで使うことなく二軍に落とした。一軍に上げた意図がハッキリと見えませんでした。リードしている展開で、先発投手を勝利投手の権利を得る目前の四回途中で降板させたり……。四球が多いとか内容が悪いとか、理由があるにしても、投手コーチ目線でいえば、この内容なら、せめて同点までは我慢して欲しいと感じることがよくある。五回の壁を乗り越えさせないと、若い先発投手は育ちません。その点、岡田監督は先発投手に白星をつけることを優先しているように映る。同点まではOKと腹を括っている試合が多い」