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東芝へのTOB成立へ、国内連合が3分の2以上取得見通し

東芝は20日、日本産業パートナーズ(JIP)と国内連合によるTOB(株式公開買い付け)が成立したようだと発表した。応募が成立に必要だった3分の2を上回った。株主総会などの手続きを経て、年内にも上場廃止となる見通し。

不正会計や巨額損失をきっかけにした株主との対立などを経て、ファンド傘下で再建を急ぐ。TOBは1株4620円で8月8日から開始し9月20日まで30営業日をかけて実施していた。応募数などは21日に公表する。

TOBには、筆頭株主で9.89%の株式を保有するエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなどアクティビスト(物言う株主)も応募した。東芝は11月下旬に臨時株主総会を開き、全株を取得するためのスクイーズアウト(強制買い取り)の手続きに移る。総会で承認された後、所定の手続きを踏み、東芝は12月中にも上場廃止となる。

東芝は2015年4月に不正会計が発覚し、16年末には米原発子会社の巨額損失が明らかになった。2年連続の債務超過を回避するため17年に6000億円の公募増資を実施し、複数の物言う株主が引受先となった。

東芝は23年3月にJIP陣営によるTOBを受諾していた。JIP陣営は約2兆円の資金を投じることになる。ロームやオリックスなど複数企業が資金を拠出し、三井住友銀行やみずほ銀行などの主力行が融資する。