最初に質問したのは、被告の人間関係だった。アルバイトや派遣社員を転々とし、刑務所を出所してから事件を起こすまで「親族や友人、人生を相談できる相手はいたのか」。人生につまずいた時、周囲の支えがあれば事件は起きなかったのではと考え、聞いた。

 青葉被告はそれまでの公判と同様、淡々とした口調で返答し、感情の起伏は読み取れない。「(相談する相手は)基本的にはおりません。自分一人で問題を解決してきた」


 閉廷後、夫は妻の命を奪った相手と向き合ったことの思いを語った。最後の問いには、「遺族」の立場を強いられた子どもの苦しみを伝える意図を込めた。

 ただ、自身の言葉が届いた実感は持てなかった。青葉被告は一度も、夫に顔を向けなかったという。他の遺族側の質問に、語気を強めて言い返す場面も目にした。「精神的に未熟で、本当に身勝手だ。反省しているとは、とても思えなかった」とうつむいた。

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