僕の記憶によれば、落合英二は4度、古巣からの入閣要請を断っている。今回が5度目。立浪が13年ぶりなら、落合は16年ぶりの中日復帰ということになる。
【動画配信】立浪和義ドラゴンズ新監督就任会見
 何度も何度もチャンスがありながら、実現しなかったのは、同い年の立浪を支えると決めていたから。しかし、趣味も違えば性格も真逆。プライベートで行動をともにするところなど、ほとんど見たことがない。いわゆる「お友達」ではないのだ。だから一度だけ聞いてみた。「なんで立浪なの?」。落合はサラリと答えた。
 「僕が現役を辞める少し前に、こう言われたんです。『いつか監督をやる日が来たら、手伝って』と。それが最初だったからです」
 耳を疑った。だって立浪は「自分以外とはやるな」とは言ってないのだから。しかし、落合は最初に声を掛けてくれたという理由だけで、立浪監督誕生を15年間待ち続けた。損得でいえば、どう考えても損。しかし、義で動く人間が、実は一番手ごわい。利にさとい人間は、利をぶら下げれば簡単に動かせる。戦国時代、武力に秀で、調略にもたけていた武田信玄が、上杉謙信だけは打ち負かせなかったのは、謙信が義の人だったからだ。
 この15年間、落合は立浪にも告げずに、1つだけ自分にルールを課していた。それは「セ・リーグのオファーも受けない」こと。いくつもの球団が誘ってきたが、彼は丁重に断ってきた。愛するドラゴンズとは戦えない。これも彼なりの義だった。


立浪を待った結果wwwwww