僕がまだ中学生のころだ。そのとき僕は音楽にどっぷりはまっていた。ヘッドホンにB’zや広瀬香美を流し、部屋の中でノッてトリップしていた。しかも大好きな曲が「Promise」そう、例のミームなんて見なくてもお気に入りで、あのときはめちゃくちゃにゲッダンまでしていた。そのうちあることに気づいた。「イヤホンによってノッかり方(?)が違う」それに気づいてから、家にあるイヤホン、ヘッドホン、さらには物置のコンポまで勝手に部屋に持ち込み、これはいい、これはだめ、と。さらには手慣れない工具まで持ち出し、コンポを改造してよりノッかれるように穴まであけ始めたところで、親に電気屋に連れていかれた。どうやらBoseってのが良いらしいと。今でもそのヘッドホンは時々使っている。
中学時代、特に中三では母に勉強を強制されていた。偏差値の高い、いわゆる進学校に行かせるために塾に通わされ、平日はその課題に追われ休日は塾に6時間も居座るというまさに受験デスマーチに身を置いた。その母も「勉強をしとけ」とか良い「高校からなら楽にいい大学に行ける」とか、いろいろ言われた結果、高校は「その地方では」一番のところに行けた。しかし実際はなんちゃって進学校で、その進学先は大体私立の大学だったのだが。無事、合格が決まった時は母も喜び、そこでスマホを買ってもらったわけだった。それまで過剰に勉強、勉強とうるさかった母もこればかりは安心したのか、それ以降は特に勉強にかかわることも少なくなっていった。僕は中学時代の勉強の癖が抜けず、しかし勉強する気が起きなかった結果、音楽を聴きながらだらだら勉強するというある種、効率を無視した勉強をしていた。
それも入学から1か月で飽きてしまい、本やゲームなど多趣味なのか無趣味なのかわからないほど、ぼんやりしていて、鬱屈な日々を送っていた。