そんなこともあったなぁ、と耽っていたら、スマホの充電が終わっていた。電源をつけるとすぐLINEの通知が10件たまる。そこには研究グループから一通、「一週間後にゼミで最終模擬学会をやる」と。それに対し仲間が「りょ」自分も「うい」と返し、またパソコンと向き合う。もちろん卒研学会はWord資料、わかりやすく図示するPowerPoint、そして読み上げるセリフ原稿。この三点セットが必須だ。現在はPowerPointは8割、Wordは9割、セリフ原稿は0.4%が完成している。当然、模擬学会では、全部10割。いや、それ以上の出来栄えでなければならない。ただセリフ原稿はWordとPowerPointが終わらなければ形にはならないため、とりあえずはWordから仕上げる。もちろん白紙では卒研は通らない。やり直しボタンをクリックしながら、また一つ大きなため息をついた。
そしてこういう時は、大体、いや近頃は毎日、イヤホンを耳に突っ込み、リゼ様の「Hand in Hand」から爆音で流す。これさえ聞けば、脳がすぐ集中モードに入る。さらにリゼるる、リゼアンのコラボ曲、歌枠まで流せばもう手が止まることはない、全身が止まらぬ永久機関となるのだ。それだけ自分はあの曲たちに救われた。今はさすがに配信は見なくはなっても、歌だけは残り続けるものがあった。それだけ今の自分がある理由だった。
けれども、まだYoutubeも詳しく知らない、あの日々の自分はどうだったんだろうか。疑問を片隅に追いやり作業を続けた。もっと若いころだ。ぼやっとした記憶を思い出す。それはぼやっとした断片の集合だ。
こんな深夜ならワイの書いた痛い小説なんぞ見られんやろ
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7それでも動く名無し
2023/09/23(土) 04:35:00.14ID:K4SKNiTF0■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています