ドルジはこれすこ

上野動物園で朝青龍vs時天空「場外戦」

 大相撲の横綱朝青龍(24=高砂)と十両西2枚目時天空(25=時津風)が15日、秋晴れの上野動物園で「真剣勝負」をした。
それぞれけいこを終えた昼すぎ、軽装の2人は先を急ぐように動物園に駆け込み、正門横の動物相談室へ直行した。
 事の発端は前夜だった。同じモンゴルの柔道場出身の2人が、飲みながら激論を交わした。「プレーリードッグとマーモットは同じ種類か違うか」。
相撲以上に熱くなった。同種を主張する時天空と「違う!」と譲らない朝青龍。インターネットで調べ、モンゴルに国際電話までかけたが、分からない。深夜まで約4時間、引くに引けない2人は「それなら明日、昼に上野動物園集合だ」と約束し、勝負は水入りとなった。
 驚いたのは動物相談室の担当者。いきなりちょんまげ姿の大男が2人、肩をいからせて入ってきた。
事態をのみ込んだ担当者は、協議もなく、あっさりと朝青龍に軍配を上げた。「同じリス科ですが、違う種類です。たとえて言うなら同じネコ科でもトラとライオンぐらい違います」。
 会心の勝利に、朝青龍は「オレの心は空のよう。晴れ晴れとした」と大満足。園内ですれ違う子供に「握手してあげるよ」と、超ご機嫌だった。
一方、敗れた時天空は、苦笑いで何度も首をかしげた。「史上初」の動物園での大一番は、横綱の圧勝に終わった。