ロシアによるウクライナ侵略で、米NBCニュースは4日、複数の米当局者らの話として、ウクライナを支援する欧米諸国がウクライナ側と停戦について「ひそかに」協議を始めたと伝えた。ウクライナ軍の反攻が進まず戦局が膠着(こうちゃく)していることや、ウクライナ軍の疲弊、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの交戦などを背景に、欧米側のウクライナ支援の余力が低下していることが背景だとしている。

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NBCによると、停戦に関する欧米とウクライナの協議は、50カ国以上が参加した10月のウクライナ支援国の会合の中で行われた。ウクライナがロシアに一定の譲歩をする見返りに、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナの安全を保証し、ロシアの再侵略を防ぐ案が浮上しているという。

ウクライナのゼレンスキー大統領は従来、停戦はロシアによる占領地支配の既成事実化と将来的な再侵略を招くとしてプーチン露政権との交渉を否定。ただ、ウクライナも欧米側の意向を無視できない見通しで、今後、停戦に向けた動きが表面化する可能性もある。