「球団幹部がおにぎりを何個かどんぶりに入れ、その上に牛丼の〝アタマ〟を乗せて食べているのを見た。おにぎりを何個も食べていると監督に密告されかねないので、1個ずつロッカーに持ち込んでから味噌汁と一緒にまとめて食べる用心深い選手もいる」(ある選手)

食事制限の効果もなく打線は湿り続け、10日にはクライマックスシリーズ進出の可能性が完全消滅した。もはやライス解禁のタイミングを見失ったかのようにも映るが、「あのチャンスを生かしておけば…」とチーム関係者が悔やむのが、8月22日に起きた〝おいしい発注ミス〟事件だ。試合前の食事会場で前触れなく、全選手にカレーライスが提供されたのだ。

この日は阪神の主催試合で、高校野球のため本拠地の甲子園球場が使えず、京セラドーム大阪で開催。干天の慈雨のような施しは「普段と違う球場の初戦で(ケータリング業者に)監督の指示がちゃんと伝わってなかったようだ。翌日からまた投手陣のみの提供に戻った」。前出関係者はそう明かしつつ、「この世界は験を担ぐから、打線が爆発していれば『明日も野手にカレーライスを出そう』となったかもしれない」と指摘する。この日は阪神先発の西勇から3点を奪うも、7回以降は沈黙し延長10回サヨナラ負け。まさに絶好機を逃した野手陣は、翌日から再び主食を召し上げられることとなった。 (山戸英州)