https://www.newsweekjapan.jp/akane/2023/11/post-71.php
「アルツハイマー型認知症は腸内細菌を通じて伝染する」とラット実験で実証される

まずアルツハイマー病の患者69人と認知症ではない人64人から移植用の糞便と血液を採取しました。
次に、ラット16匹ずつ対して、アルツハイマー病とそうでない人の糞便を溶かした液体を3日間経口投与して、ヒトの腸内細菌の移植を行いました。

その結果、最初の移植から10日後以降に健康診断や記憶テストを行ったところ、
アルツハイマー病患者の腸内細菌を移植したラットには、長期空間記憶の障害や新規認識記憶の著しい低下など認知症と思われる症状が認められました。
さらに、重症患者の腸内細菌を移植されたラットほど、記憶障害が重度でした。

その後、アルツハイマー病患者の腸内細菌を移植したラットの脳では、海馬での新しい神経細胞の産出や成長が減ってしまっていたことが観察されました。

つまり、患者の糞便移植によって、健康なラットにアルツハイマー病の症状が「伝染する」ことが示唆されました。