ガソリン価格の全数調査、会計検査院が「抽出調査と結果が同じ」と指摘…エネルギー庁が62億円で博報堂に委託 : 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231108-OYT1T50038/

ガソリン価格を抑える補助金制度の開始後、資源エネルギー庁が最大約62億円かけて行っているガソリンスタンドの小売価格調査(全数調査)が、会計検査院に「必要性を検討すべきだ」と指摘されたことがわかった。
検査院は「価格の推移は市況調査で把握できる」との見解だが、同庁は「調査には高値で販売させない効果もある」と譲らず、論議は収まりそうにない。

ガソリンスタンド
同庁はガソリン価格の変動を調べるため、約2000店を抽出した市況調査を毎週している。これとは別に、2022年1月から補助金制度が始まったことを受けて全数調査を実施。
調査は広告大手「博報堂」に委託され、2万か所以上のスタンドを対象に電話や現地訪問で行い、費用は同年度末時点の契約で最大約62億円に上る。

ところが、検査院が二つの調査を比較したところ、価格の推移がほぼ同じだったことが判明。全数調査の分析も十分に行われていないとし、「必要性も含めて検証が求められる」と指摘した
。これに対し、同庁は取材に「調査は価格の把握だけではなく、補助金を価格に反映させることが目的だ」と説明。「スタンドへの電話や訪問により『監視』することで、抑止効果が働く。廃止は考えていない」とする。