この頃の日本は餓死した人間が出て驚かれた



「飽食日本でまさか餓死する人がいるなんて」

 この少し後の1996年には、東京・池袋のアパートで
70代の母親と寝たきりの40代の息子が餓死しているのが見つかり、
日本社会に強いインパクトを与えた。
餓死事件が頻発している現在と違い、
当時は「飽食日本でまさか餓死する人がいるなんて」
「餓死なんて初めて聞いた」と人々は驚愕したのだ。
ちなみに亡くなった母親は詳細な日記を遺しており、
社会的な意味合いがあると考えた豊島区役所は
情報公開条例に基づいて日記の全文を公開。
出版社2社が相次いで書籍化する騒動にもなった。