少年のプライドの高さも垣間見えた。
中尾佳久裁判長が、こう諭した時のことだ。

裁判長「勉強以外秀でているものがないというが本当にないのか?」
被告の少年「秀でているという表現は…そうじゃないんじゃないでしょうか」
裁判長「今後社会で生きていくうえで秀でたものが必要?」
被告の少年「…」
裁判長「両親に聞くと『やさしい』と聞く。友達関係も受験という意味では蹴落とすこともあるかもしれないけど、対人関係で恐ろしいということはないはず。1つのプラスになるもの。沢山人がいる中で、勝ることを探すことは難しい。物差しを変えてみる価値観はいろいろだよ、考えてみてください」
被告の少年「…精進します」

裁判長からの言葉は、被告人の更生を願ったエールだったようにも思う。
ただ、当の本人の受け取り方は違ったようだ。
判決前最後の法廷で、このやりとりの際の気持ちを明かした。

「裁判長に自分に秀でているものが本当にないと思っているのかという質問で、今までの考え方から堪忍袋の緒が切れそうになることもありました。大変不躾な感情を持ったことを報告します」

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900000787.html