ドイツには「大量消費」「使い捨て」の文化はない。家具など祖父母の代からのものを大切にメンテナンスしながら使っている。1985年当時すでにリサイクル・リユースが浸透していた。自宅で飲むビールも飲み終わった瓶を店に持って行ってビールを詰め替えてもらう。

 1つドイツでの経験を紹介したい。ドイツの日本料理店に行った時のことだ。その店に限らずヨーロッパの日本料理店では、お茶や水は有料で提供されている。

 ある時、私がよく知る店の日本人店主に「日本ではお茶や水はタダで出しているのになぜ?」と聞いた。

 その日本人店主は「最初の頃は無料で提供していたんですよ。多くのドイツ人のお客様から『注文していないものを出されても困る。無料というがコストはかかっているだろう。お茶も水も不要だからその分を食事代から値引きしてくれ』とクレームが入り、それからは有料にしたんです」と教えてくれた。