もし再び時代が逆転したとしたら、果して私たちは、
いま清太に持てるような心情を保ち続けられるでしょうか。
全体主義に押し流されないで済むのでしょうか。
清太になるどころか、
未亡人以上に清太を糾弾することにはならないでしょうか、
ぼくはおそろしい気がします。
高畑勲(アニメージュ1988年5月号)