東京国際大教授 小田切紀子氏
 −−近年、親権争いで優位に立つため、子供を相手親に黙って連れ去ったり、相手親による虚偽のDVを訴えたりする事例が社会問題化している
 「親権争いが起きた際、裁判所は従来、子供は母親が育てる方が望ましいとする『母性優先の原則』や、現在の養育環境を変えるのは子供の利益に反するとする『継続性の原則』などを重視して判断してきた。しかしその結果、そうした判断基準を逆手に取り、親権を得るために子供を連れ去り、その理由として相手親のDVをでっち上げるという手法が横行するようになった。こうした事態は、本当にDVに悩む被害者の救済にも悪影響を及ぼす。社会的に問題が認識され始めたのは良いことだ」