今年1月、鹿児島・沖永良部島での自主トレ中に、近本はある悩みに襲われた。
「打撃の調子が良すぎる」。
今年から同行した多田昌弘打撃投手の存在が大きく、バッティングの状態が早々に急上昇。
近本は「おもしろくない。やることがなくなる」と、突如フリー打撃を止めた。
「どうすれば状態が崩れるか」。
その場で1分ほど考え込み、わざと三半規管を狂わせるために前転・後転を繰り返したり、頭を振ったり…。
でも崩れない。挙げ句、隣にいた個人トレーナーの仲林久善氏に「(体の)軸を崩してほしい」と頼んだほどだ。
状態が悪いときにどうアプローチをすべきか。
この課題と新年早々から真剣に向き合ってきた。