補選全敗:岸田首相を待つ3つのシナリオ

<シナリオ1:八方ふさがりでの退陣>
首相の側近議員は「広島サミット解散」が取り沙汰された昨年6月の段階で「日本の首相は1000日(2年9カ月)やれば大総理なんですよ。だって戦後7人しかいないんだから。無理に解散して再選されなくても1000日やれればいいんです」と語っていた。

<シナリオ2:逆風をついての「裏金解散」>
首尾良く衆院解散まで持ち込んだとしても、選挙結果は厳しいものになる。首相は補選と違って「政権選択」の総選挙ならそれほど負けないと考えているだろう。6月に実施される1人4万円の定額減税が後押しすることも期待している。しかし、国民の自民党への不信は過去10年で最も高い。自公で過半数を割り込む事態が十分想定される。

<シナリオ3:野垂れ死に退場>
最後にあり得るのは、岸田首相が人事権行使にも解散権行使にも失敗した末、通常国会の閉会後もだらだらと政権を担当し、9月の総裁任期切れとともに退場するシナリオ3だ。政権は完全にレームダック化して最後は野垂れ死にの形になる。