来季以降、チームの指揮は誰に託されるのかという点だ。23年度から指揮を任された松井監督はチームのレジェンドOBだった。

 また13年に渡辺監督が退いてからは、ここ11シーズンは野手出身監督が続いているとあって、順番とすれば、そろそろ投手出身の監督も注目されるところ。

 球団出身のレジェンドOBといえば、松坂大輔氏も幹部候補生の一人となる。

 言わずとしれた「平成の怪物」。横浜高校時代に夏の甲子園決勝でノーヒットノーランを達成と大きく注目を集め、鳴り物入りで西武にドラフト1位で入団。その後も輝かしいキャリアを重ねた。高卒1年目シーズンで16勝を挙げ、新人王と最多勝のダブルタイトルを獲得、その後も快進撃を続け、侍ジャパンの一員としても、06年、09年の大会連覇に大きく貢献と日本球界のエースとしての地位を築いた。

 海を渡りレッドソックスでは世界一に輝くなど、メジャーでも足跡を残した。その後はメッツに移籍、怪我に苦しむシーズンも多かったが、15年に日本球界復帰後はソフトバンク、中日、西武と渡り歩き、2021年シーズン限りで引退となった。

 数々の名選手と名勝負をくり広げ、WBCの快投など、まさに記録にも記憶に残る選手といっていい。華々しい活躍の陰で怪我に苦しんだ時期も長かったことは、指導者としての上積みにもつながり、元々投手力が売りのチームにおいては、レジェンドOBがプラスに働く側面もありそうだ。 

 ほかにもチームでは現役時代に沢村賞、複数の最多勝タイトルに輝くなど実績を残した西口文也2軍監督なども在籍している。さらに低迷している打線を上向かせるという意味では17年から指揮を執り、6シーズンでリーグ優勝2度、Bクラスに沈んだのが1度のみと辻発彦監督の手腕も再評価されている。選手のモチベーションの高め方には定評があり、安定感あるチーム運用が期待できそうだ。

 西武にとっても08年以来遠ざかっている日本一は、目指すべきゴールとなる。果たして常勝軍団の再生を託されるのは誰となるのか。