魚やお肉が腐るのとは全く異なります。カンピロバクターに汚染している食品は、味やにおい、見た目も変化しません。

見た目では判断出来ませんので、とにかく鶏肉は十分な加熱調理です。

カンピロバクターの恐い合併症、ギランバレー症候群
発熱、腹痛、症状は激しいのですが、カンピロバクター腸炎は自然に治ることが多く、下痢で失う水分補給が治療の中心です。

重症の場合はエリスロマイシン系抗生物質やニューキノロン系抗生物質を使うことがあります。

敗血症や重症化しなければ、カンピロバクター腸炎はそれほど恐ろしい病気ではありません。

(Citation: https://www.cdc.gov/campylobacter/guillain-barre.html)

しかし、恐ろしいのはカンピロバクター腸炎の合併症です。頻度は低いのですが、手足全身の力が入らなくなるギランバレー症候群を合併することがあります。

カンピロバクター感染とギランバレー症候群の関係、1000に1つのロシアンルーレット
アメリカではギランバレー症候群の40%がカンピロバクター感染が原因といわています。

カンピロバクター腸炎の0.1%にギランバレー症候群が合併です。0.1%と聞くと低い印象をもたれるかもしれませんが1000人に1人です。結構高率です。

鶏のたたきは料理としてお店のメニューにある
先日クリニックの食事会で行った、とあるお店でのことです。コース料理の一品として鶏のたたきがでてきました。それを見たスタッフ一同私の顔をみて、何か言いたげな表情を浮かべながら誰一人として生の鶏には手をつけませんでした。

多くの患者さんがカンピロバクター腸炎で苦しんでいる姿を見て、私が都度、鶏を生で食べないように患者さんに繰り返し指導している効果が、患者さんだけでなく当院スタッフに十分にでているようです。(笑)

とにかく、鶏は十分な加熱です。

鶏のたたき、鶏レバーが美味しいのはわかりますが、おいしさの誘惑にまけず、加熱調理です。

まとめ
カンピロバクター食中毒予防のために、鶏肉は十分に加熱しましょう。カンピロバクターの恐い合併症がギランバレー症候群です。