関係者によると、同行で営業担当を務めていた元行員は2023年までの数年間に、自ら利益を得ることを目的として、家族名義での株取引を約5000回にわたって繰り返していた。このうち一部は、株式公開買い付けの実施など、業務に関連して知った顧客企業の内部情報を基に取引していたという。一連の取引では利益は出なかったが、同行は金商法に違反する悪質な不正と判断したとみられる。

 監視委は近く、同行と系列の三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券が顧客の内部情報を無断共有していたなどとして、3社に金商法違反で行政処分を科すよう金融庁に勧告する見通し。元行員の不正については調査を継続するとみられる。