https://www.sangyo-times.jp/article.aspx?ID=13351
 一方、TSMCと熊本に近いエリアの合志には、ソニーがCMOSイメージセンサーの大型工場を建設することになった。投資額は公表されていないが、敷地27万m2という広大さから見て、トータル1兆円以上の投資になるだろう。

 先ごろ、ソニーが実行した長崎での増設棟Fab5のスケールが、延べ15万5300m2(クリーンルーム面積3万6800m2=現在のソニー熊本とほぼ同じくらい)であり、今回の合志新工場もほぼ同規模の工場がまず建てられると目測されるのだ。ちなみにソニーの23年度の半導体生産額(見込み)は1兆5900億円であり、国内生産ランキングでは1位になったとみられる。

 熊本の半導体ばかりが取り沙汰されるが、宮崎においても、SiCパワー半導体の世界トップを狙うロームが40万m2を取得し、3000億円以上の投資を断行するという。ロームは東芝と連合軍を組み始めており、日本政府はこの提携が実現すれば、手厚い補助金を用意するという。

 三菱電機も熊本のSiCデバイスの新工場を立ち上げており、フェニテックセミコンダクターも鹿児島で新たなクリーンルームを作っている。

 こうした動きを見て、九州経済調査協会は「2030年までの10年間で九州の経済効果は20兆円」と試算しており、まさに九州シリコンアイランドの復活が九州経済を大きく上昇させていくというロードマップが見えてきたのである。