>>11
夕方にはほぼ満車状態だった駐車場が、自分の車と向かいのワゴン車しか止まっていない。
そういえば1Fも2Fもすっからかんだったなと階段を上ってきた時のことを思い出しながら、
なんとなくそのワゴン車を薄目で見た。

女が乗っていた。
異様なのはその姿だった。目と口を大きく広げてこちらを見ていた。
髪はぼさぼさで赤い服を着ている。
なぜだかわからないが私はそのまま眠ったふりをした。起きているのがばれたら殺される気がした。