初の秋季キャンプで号泣事件

 1軍監督として初めての秋季キャンプ。ある朝、ホテルの自室で号泣したと言います。
「めっちゃ泣いたわ!」
 やっぱりタイガースの監督って大変なんやなぁ〜なんて能天気なことを思いましたがもちろんそんなことではありません(笑)。
 読書家の矢野さんは約30冊の本を持って高知県に入りました。ホテルを出発する前に自室で読書の時間を設け、それから球場へ向かうのがルーティーン。
読むのは小説ではなく、気持ちが前に向くような成功体験や、偉人の物語など。その中の一冊が矢野さんを号泣させたのです。

“鏡の法則”。息子がいじめをうけて悩んでいた41歳の主婦が、ある人のサポートのおかげで人生で未完了だった問題に気付き、悩みを解消した上に人間的に成長するという実話です。
一人の大人の女性が自分の父親と和解し、そこから成長していく姿。私ももちろん読みましたが、誰もが自分に置き換えることができ、涙するようなストーリーでした。
矢野さんは本で泣ける人間味のある男なのです。感情移入できる=相手の気持ちを考えることができる。選手にとってこういった指揮官は嬉しいのでは。

 ちなみに私が勧めてもらった本は“世界一ふざけた夢の叶え方”。男性3人がどうみても「無理やろ!」という夢を語り合い本当に叶えてしまった! という、これも実話です。
どんなことも「無理」なことはなくて、言い続ければ叶うということでした。
https://bunshun.jp/articles/-/10295