7日に行われた東京都知事選挙は、いくつかの意味で日本社会の現状を反映した大騒ぎだと思える。第一の特徴は、日本の女性蔑視の反映という点である。世論調査で1位と2位だった現職知事の小池百合子氏と蓮舫前参議院議員は、国会議員を長い間務め、知名度もある。この点をとらえて、メディアは「女の対決」とはやし立てた。このような盛り上げ方は、今の日本における男女平等についての認識の浅さの反映である。小池氏は、関東大震災における朝鮮人虐殺の犠牲者に対する追悼メッセージをかたくなに拒絶するという点で歴史修正主義者であり、まっとうな人権感覚を持った政治家とは言えない。最大の繁華街、新宿で行き場のない若い女性を性産業から守るための支援活動をしてきた市民団体に対して、とあるネットのインフルエンサーがいやがらせを続けたという事件があった。東京都はこの市民団体に対する財政補助をしていたが、暴力的な嫌がらせを排除することには積極的ではなく、結局、市民団体の活動は停止に追い込まれた。小池知事は当然、事の成り行きを把握していたはずだが、女性の人権を守るために断固たる行動をとったわけではない。

 昔、南アフリカでアパルトヘイトがあったころ、日本人は欧米人並みに扱うということで、名誉白人という称号を与えられていた。その類推で言えば、小池氏は「名誉男性」である。だから、この選挙戦は女の戦いではなく、名誉男性と女性の戦いである。
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