https://www.bookbang.jp/gyoten/article/250

事務所ライブのリハーサル中に、ふざけていたことをマネージャーに怒られ、反省文を書かされることになったその友だちは、「ねえ見て! めっちゃ反省してる感じ出てて最高じゃない?」と、文章をまるごと送信してきた。見てみると確かに素晴らしく見事な、非の打ち所のない反省文だった。彼女いわく、「まずは謝罪文、そして怒られたことを反省している文、それに加えて、悪いことと気づけなかった自分の認識の甘さすらも反省している文」の三段構えが効果的で、これを「普段とはちがう丁寧な筆致で綴る」ことによって、「より上のやつに響く」らしかった。

「なんでこんなに反省文うまいん?」と聞いたら、「今まで何枚書いてきてると思ってんの!」と得意げに言った。今まで授業中にお菓子を食べたり、机の上に乗って担任の先生に飛びかかったりするたびに、彼女は少しずつ反省文の腕をあげていったらしい。私に教えてくれた学生時代のエピソードの中の彼女は、もうほとんど猿だった。「猿やん」と言ったら「せやねん」と言った。「せやねんやあらへんで」「ほんまやで!」へたくそな関西弁すら、舌先で転がして遊んでしまう。