「扇」という漢字は本来軽い扉のことを意味し、そこから転じてうちわ(団扇)のことをいうようになった。うちわは紀元前の中国で用いられたという記録がある。また古代エジプトの壁画にも、王の脇に巨大な羽根うちわを掲げた従者が侍っている図があり[4]、日本では利田遺跡(佐賀県)において、うちわの柄が出土した例がある[5]。このようにうちわは文明発祥時から存在する。団扇(うちわ)は中国文明において発明されたと考えられており、隋唐時代に東アジアの各地に伝えられた[6]。日本において「扇」を記載した文献に『万葉集』や『続日本紀』があるが、これらの「扇」は中国式の団扇のことと推定されている