68歳の男性A氏は、ジャスコ四日市尾平店にあるATMを利用していた。
この少し前からATMを物色したり覗いたりしていた加害者となる子供連れの女性Bがうろついていた。

A氏がATMを出ると、そのBが彼にわざとらしくぶつかり、さらにBが何かを掴むような動作をすると、ついには揉み合いに発展する。

この時、A氏は財布のものを必死に守ろうとしていた。
この騒ぎを利用してか、腹いせなのか、Bは「泥棒!」と叫び始めた。
事情を知らない周囲の人々は、財布を奪われようとしているA氏を見て「あの男が泥棒である」と判断し、その内の3名ほどが駆けつけてA氏の方を取り押さえてしまった。

その後、別件の万引き事件の処理で店に居合わせていた、四日市南警察署の若手警察官Cを含む2名が到着、すぐさまA氏を「泥棒」だと判断し、
碌に事情を尋ねずに即座にA氏を後ろ手にして手錠を架け、うつ伏せ状態に抑え込んで制圧した。

なお、警察が駆けつけた時には既にBはこの騒ぎに紛れたかのように忽然と現場から姿を消していた。

既に心停止に陥っていたA氏の脳はもはや回復不能なダメージを負った状態であり、翌日に搬送先の病院で死亡した。死因は、過度なストレスが原因の高血圧性心不全及び不整脈であった。