確定判決などによると、小林死刑囚は04年11月、奈良市内で当時7歳の女児を車に乗せ、自宅で殺害。遺体を奈良県平群町の側溝内に放置するなどした。殺人やわいせつ目的誘拐など8つの罪に問われ、06年9月に奈良地裁が死刑判決を言い渡した。控訴したが、その後に取り下げて確定。08年12月には再審請求を申し立てたが、09年12月、最高裁が特別抗告を棄却した。

金川死刑囚は08年3月、茨城県土浦市の民家で男性(当時72)を刃物で刺して殺害。指名手配中の同月、同市のJR荒川沖駅で通行人の男性1人を殺したほか、7人に重軽傷を負わせた。09年12月に水戸地裁が死刑判決を下し、金川死刑囚がその後の控訴を取り下げたため、10年1月に確定した。確定から3年余りの執行で、「過去10年の平均よりも2年以上短い期間での執行」(同省)となった。

武藤死刑囚は02年3月、名古屋市中区栄のスナック店内でスナック経営者の女性を絞殺し、現金を奪うなどした。一審判決は無期懲役としたが、二審は死刑を言い渡し、07年3月に最高裁が武藤死刑囚の上告を棄却、確定した。

最高裁は被害者数などを死刑の選択基準としているが、被害者が1人の小林死刑囚らの事件でも刑が執行された。



日本弁護士連合会の山岸憲司会長は「自民党政権の復活後初めて、かつ3人もの死刑執行という極めて遺憾な事態。強く抗議する」との声明を出した。
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