すべてが虚無の中に沈んでいく感覚だけが残っている。周りのものすべてが影のように曖昧で、どれも実体を持たないまま過ぎ去っていく。言葉を発しても、空間に吸い込まれて消えてしまうだけで、何も響かない。時間はただ過ぎていくのに、その中に何の意味も見出せない。どこへ行こうとも、誰と会おうとも、すべてはすり抜けていく。どれほどここにいても、どれほど見ていても、この世界に存在していた証なんてどこにも残らない。結局、何も変わらず、何も残らないまま、消えていく。