このまま終わるわけにはいかない。キャプテン牧が、選手それぞれが、懸命にもがいている。シリーズ初戦から2連敗となった27日の試合後、牧が選手全員に集合をかけた。
「自分にとっては初めての日本シリーズで、初めての雰囲気で2連敗してしまった。日本シリーズを経験している人からアドバイス、意見を聞きたかった」と、わらにもすがる思いだった。

先輩たちの率直な意見を求めて、牧が場を回す。野手の代表の1人としてナインの前に立った桑原は、誤解を恐れずに言った。
「今の雰囲気ではソフトバンクに勝てない。勝ち負けだけじゃなく、そういう雰囲気がやっていて腹立たしい。負けて悔しくないんか? と」。
その上で「もっと気持ちを1つにして戦おう」と呼びかけた。17年の同シリーズ、同じソフトバンクに敗れた悔しさを肌で知るからこその、熱い言葉だった。

責任の重さを実感しつつ「みんなのスイッチが切り替わればと思います」と願った。
ソフトバンクは生半可な気持ちで勝てる相手じゃない。「日本シリーズに行って満足してるんじゃないかと思った。ずっとこの一戦負けられない、という思いでやってきたことを続けないといけない」と桑原。今こそ“横浜進化”の時だ。