これめちゃすき

メキシコの田舎町、海岸に小さなボートが停泊し、漁師が小さな網で生きのいい魚を捕まえた。アメリカ人旅行者が「どれくらい漁をしていたの?」と尋ねると、漁師は「そんなに長い時間じゃないよ」と答えた。

旅行者は「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたのに」と言うと、漁師は「自分と家族が食べるにはこれで十分だ」と返す。

旅行者が「余った時間は何をするの?」と聞くと、漁師は「日が高くなるまで寝て、漁に出て、子どもと遊び、友達と楽しい時間を過ごす」と答えた。

旅行者は真面目な顔で「もっと長く漁をするべきだ。余った魚を売ってお金を貯め、大きな漁船を買う。そうすれば漁獲高が増えて、ビジネスが広がる」とアドバイスした。

漁師は「どれくらいかかるの?」と尋ねると、旅行者は「二〇年、いや二五年かかる」と答えた。

「その後は?」と漁師が聞くと、旅行者は「その時には億万長者になり、引退してこの村でゆっくり過ごす」と言った。漁師は、結局同じ生活に戻ることを理解した。