『量子の残響 -Quantum Resonance-』

西暦2157年。
日本人とアメリカ人のハーフである天才物理学者・神崎美咲は、小田原にある世界最大の量子コンピュータ研究施設「QISM(Quantum Information Science Metropolis)」で衝撃的な発見をする。

超伝導量子干渉計を用いた実験中、ある特異な現象に遭遇する。量子もつれ状態にある粒子対が、アインシュタインの特殊相対性理論による時間の遅れ(ローレンツ収縮)を無視して瞬時に情報をやり取りしているように見えたのだ。

詳細な解析の結果、この現象は以下の方程式で記述できることが判明:

E = ℏω × [1 + α(t)sin(2πft)]

ここでαは時空の歪みを表す未知の係数、fは新たに発見された「時空共鳴周波数」を示す。