大洋時代の92年に入団。これまでベイスターズで天と地を味わってきた。98年に強打の「マシンガン打線」で頂点に立ったが、その後チームは長い低迷期に入った。2002年からの11年間で最下位は9度。球場は閑古鳥が鳴き、スタンドから物が投げ入れられた日もあった。

「三浦さんは一回優勝しているからいいですよね。僕も経験したいんです」。他球団へ移籍する同僚の言葉が耳に残る。「寂しかった。何より優勝できないチームと思われていることが悔しかった」と唇をかむ。

08年オフにフリーエージェント(FA)宣言。ファンだった阪神から声がかかり、心は揺れた。思い浮かんだのは、負け試合でも最後まで声をからしてくれるファンの姿。「強いところを倒して優勝したい。こっから優勝したほうがおれらしい」。ベテランとなってなお人一倍汗を流し、率先してファンサービスに努める姿は、後輩たちの道しるべになった。