いつもの置いとくぞ

今だから明かせますが、僕のプロ野球人生は「謝罪」から始まりました。16年秋に阪神からドラフト1位指名された時、会場にいた観客の反応は「えー!?」と後ろ向きな悲鳴でした。プロ野球選手になるという夢がかなった瞬間なのに、本当にショックでした。親や家族も傷つけてしまって「自分に力がないからだ。有名じゃないからだ」と情けなくて…。ある雑誌の阪神ドラフト採点は50点で「史上最悪」とまで書かれました。知り合いに同期入団組の連絡先を聞いて「オレのせいでこんな言われ方してごめん」と謝り倒した悔しさは今も忘れません。

まだプロで1試合も戦っていない選手に、もう僕のような思いは絶対にしてほしくない。2度とあんな“事件”が起こらないように、自分が評価を覆して見返すんだ−。他の選手にはないモチベーションが、今季も僕を支えてくれました。