韓国は発展途上国型の首都一極化から抜け出せなくて少子化😂

合計特殊出生率を地域別にみると、首都ソウルが最も低い0.55で、前年から0.04ポイント下がった。行政機関の多くがソウルから移転し多数の公務員が暮らす世宗(セジョン)市は前年比0.15ポイント減の0.97で、全羅南道(チョルラナムド)と並んで最も高かったが、1を上回る地域はなかった。
 韓国政府は今年もさらに出生率が下がり、0.7を割り込むと推計している。
 韓国では06年から5年ごとに、大統領直轄の対策委員会が少子化対策の基本計画を策定。21年までに計約280兆ウォン(31兆円)を投入し、出産支援や結婚の促進などに力を入れてきたが、効果を上げていない。
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◆「イン・ソウル」から人生が始まるという考え
 韓国で2023年の合計特殊出生率が0.72と過去最低を更新した。急激な人口減少の背景には、大都市への一極集中に伴う地方の過疎化や社会進出を阻まれた女性の生きづらさなど、日本と共通の課題がある。「消滅危機」で日本の先を行く地方の現場を歩いた。

 「地元で公務員になっていなければ、子の教育や就職のため都会に移っていたかもしれない」。韓国南部の河東(ハドン)郡庁で人口政策を担当する金貞銀(キムジョンウン)さん(45)は、個人の見解と断った上でそう打ち明けた。
 名門大や大企業を志向する人が圧倒的多数の韓国。全てがそろう首都ソウルに住む「イン・ソウル」から人生が始まるとの考えが今も根強く、地方は人材流出を止められないでいる。地方過疎を研究する大田(テジョン)大の金鍾法(キムジョンボプ)准教授は、人口減少や社会縮小の主要因がソウル一極集中だとみる。
 河東も人口約4万人の4割を65歳以上が占め、高齢者に対する20〜39歳の女性の比率は2割以下。22年の出生率は0.87にとどまる。競争激化で結婚や出産が遠のくソウルの出生率は0.55とさらに低く、若者が大都市に転出し、子を持たずに地元に戻らないまま地域が疲弊する悪循環が断ち切れない。
 かつて「イン・ソウル」を果たしてゲーム開発者になった後、23歳で地元の河東に戻り農産品のブランド化や流通を担う会社を立ち上げた李康熙(イガンヒ)さん(27)は「同級生の大多数は高校までに河東を離れ、残って就職したのは4分の1。公務員か、親の事業を継ぐくらいしかない」と故郷の現状を憂える。