好きなものを好きなだけ食べることを決意してから、森永さんは「いまは絶好調。死ぬ気がしない」と話す。長年、高齢者医療の現場に携わってきた精神科医の和田秀樹さんは、森永さんの食生活をこう評する。

「まったくもって正しいです。がんに限らず、高齢になったら基本的に体重は落としてはいけないんです。免疫力が落ちますから。

がんの場合は余計にそうで、がん細胞は普通の細胞に比べて高頻度で分裂を繰り返すので、ものすごくカロリーを消費します。だからがんになるとやせてしまう。やせると体力も免疫力も落ちて余計に病状が悪化するという悪循環です」(和田さん・以下同)

「健康のためにはベジファーストとよくいいますが、高齢になったら肉ファーストです。野菜はそれだけでお腹いっぱいになり、やせてしまう。

また、免疫力を上げたいのであれば、好きなものを食べるのがいちばんで、森永さんの姿勢は非常に理に適っています。栄養素がどうとかを考えて、医者の言うとおりにしているから先進国の中で日本だけががんが増えていると思います」