ある時、玉木が党員たちを連れて街中を闊歩していると、
一人の男性が民衆から石を投げつけられていた。
なぜこんなことをしているのかと、党員が民衆の一人に問うと、
「この男は不倫をしたからだ」と答えた。
それを聞いた玉木は民衆にこう言った。
「ならばしかたがない。続けなさい」
そしてこう続けた。
「ただし、一度も不倫を犯したことのない正しき者だけこの男性に石をぶつけなさい」
民衆は、とまどい、やがて一人また一人とその場を離れ、
石をぶつけているのは玉木ただ一人だけとなった。