一方、死刑継続派は応報刑論を根拠としているが、応報刑は社会が単純なときにしか成立しない。
例えば、被害者が相当数いる特殊詐欺を想定する。
被害者の中には老後のたくわえをなくしたり、借金をしてまで金銭を用意した者も十分考えられる。そのような被害者が人生を悲観し、
自死する場合も多々あるだろう。自死と相当因果関係があるともいえる。
このような場合、応報刑の立場をとるのであれば特殊詐欺を犯したものが詐欺の罪だけで裁かれるのは不合理といえる。