円安によって日本の輸出企業にとっては有利な状況となっているはずだが、輸出数量指数が増えるどころか弱含んでいる。

各国の輸出数量を指数化しているオランダ経済政策分析局(CPB)の輸出数量指数によると、日本の輸出数量指数は世界の輸出数量指数よりも弱い動きとなっている。

世界の輸出数量指数に対する日本の輸出数量指数の比率(日本が相対的に輸出数量を伸ばしているかどうかの指標)を確認すると、近年は低迷が目立っている。

低迷が目立っているだけでなく、為替相場との連動性がなくなっている点も重要だろう。

金融危機前までは円安になると日本の輸出数量指数は世界全体と比べて相対的に強くなる傾向があったが、金融危機以降は逆方向の動きが目立っている。
「円安⇒輸出増」という「短期のJカーブ効果」は、もはや存在しない。